2013/03/15

試訳「ハレルヤ」(レナード・コーエン/ジェフ・バックリィ)


秘密の和音があったらしい
ダヴィデが奏でて神を喜ばせたんだ
でも音楽なんて本当はどうでもいいんだろう?
それはこんなふうに進行する
四度、五度
マイナーで下がって、メジャーで上がる
慌てた王様が作ったハレルヤ

君の信仰は強かったが、どうしても証拠が欲しかった
君は彼女が屋根で入浴するのを目にして
彼女の美しさと月の光に打ちのめされた
そして彼女は君を台所の椅子に縛りつけ
王冠を叩き壊し、君の髪を切ってしまった
そうやって君の口からハレルヤを引き出したんだ

ベイビー僕はここに来たことがある
この部屋を見たことがあるし、この床を歩いたことがある(わかるだろう)
君を知る前、僕はずっと一人で生きていた
そして僕は大理石のアーチに君の旗が掲げられているのを見た
でも愛は勝利のマーチなんかじゃない
冷たく、壊れたハレルヤだ

かつて君は教えてくれたことがある
心の底で本当は何が起こっているのかを
でも今は決してそれを教えてはくれないんだろう?
でもおぼえておいてほしい、僕が君の中に入った時
聖霊もまた入っていったんだ
僕らの吐く一息一息がハレルヤだった

多分、神は天上にいらっしゃるのだろう
でも僕が愛から学んだのは
君の気を惹いた奴をどうやって撃ち抜くかだけだった
君が夜中に耳にするのは泣き声じゃない
光を目にした人間でもない
冷たく、壊れたハレルヤだ

ハレルヤ